彼氏がクビになるやも…… part.2
結論から言う。
クビになった。
会社に呼ばれた日、何かあれば連絡をくれるだろうと思って、1日中ドキドキしていた。夕方になって、帰宅するときの電話で、「どうだった?」と聞くと、案外、穏やかな声で、退職が決まったと、そう言われた。
けじめはつけなくちゃな、というところ。
彼氏は、2年ほど休職していて、会社に便宜を図ってもらっていた部分もあり……便宜を図るにも組織としての体裁があり、組織として在るべきには、妥当な判断なのかな……と、彼氏は納得――というか、折り合いがついた様子だった。
いや1日中ドキドキしていた身としては本当に安心した。
怒りでカーッとなっちゃいないかと、気持ちが沈んじゃいないかと……。せっかく、良くなってきたのに、また落ちちゃったら……。
しかし、そんな心配は杞憂だったみたいだ。
帰宅して、顔を見て、再確認。
わたしが思っているより、本当に、よくなったんだなあ……。
そりゃあ、10年、勤めた会社なので、思うところはもちろんあるだろうが、それを乗り越えられる強さは、もともと持っている人。
更に話を聞くと、社長としても、心苦しい決断だと仰ってくれたそうだ。
よかった、と、ただ思うには、難しい状況だけど、一つの節目として受け入れられたようなので、よかった。
生活苦であることは変わりないけど、この節目を前向きに受け取って、過ごしていきたいね。
というわけで、奇しくも退職の時期が重なるふたりです。
しばらくは退職金(もらえるかな……)と失業保険(3か月後だけど……)で食いつながねば。
彼氏は、バイトするとか言っているけど、無理だけはしないでほしいなあ。
眠れない夜がない
彼氏がよく、眠れないと言って、煙草を吸いながらしょげている。
その度にわたしは、慰めにもならない気遣いをして、電気を消してみようとか、スマホはもう見ちゃだめだよ とか、横になってみたら? とか言って、一緒の布団に入り、しりとりなんかをするんだけど、だいたいわたしが眠気に負けていつの間にか寝てしまう。
で、朝、一度も起きることなく起床すると、彼氏がまた、今にも死にそうな顔で煙草を吸っていて、「休めた?」と聞くと、「駄目だった……」とまた死にそうな声で言われる。
本当に辛そうで、本人もすきで起きているわけじゃないから、どうにかしてあげたいと思うんだけど……経験として、眠れなくて辛いということがないので、わたしのする気遣いや行動は果たして彼の慰めになっているのかと不安になるし、つらさを理解してあげられなくて悲しくなる。
本当に驚くほど、わたしは眠れなかったことがない。
どちらかというと眠気で辛い方で、いつも夜8時を過ぎると睡魔に襲われる。
さすがに早すぎるので、何とか起きている。いったん集中してしまえば大丈夫なんだけど、切れると一気に睡魔に飲み込まれる。
昨夜も、彼氏は眠れなかった。
朝になってから、眠る。
昼過ぎに起こしてあげて、一緒にごはんを食べる。
……そういえば昔の友達も、眠れなくて悩んでいたなあ。
相談されるんだけど、マジでわたしは辛さがわからなかったら、ふんふんと話を聞いて、「ストレッチしてみるとか?」というありきたりなアドバイスを絞り出したら「やってるけど……それでも眠れないんだよ……」とイライラされ、途方に暮れたことがある。
へたなアドバイスをするより、ただ一緒にいてあげるだけで、いいのかもなあ。
眠れない夜でも、心穏やかに、過ごせるといいなあ。